所得税更正処分取消

(平成6年9月13日最高裁)

事件番号  平成6(行ツ)78

 

最高裁判所の見解

相続財産は、共同相続人間で遺産分割協議がされるまでの間は

全相続人の共有に属するが、いったん遺産分割協議がされると

遺産分割の効果は相続開始の時にさかのぼり

その時点で遺産を取得したことになる。

 

したがって、相続人の一人が遺産分割協議に従い

他の相続人に対し代償としての金銭を交付して

遺産全部を自己の所有にした場合は、結局、

同人が右遺産を相続開始の時に単独相続したことになるのであり、

共有の遺産につき他の相続人である共有者から

その共有持分の譲渡を受けてこれを取得したことになるものではない。

 

そうすると、本件不動産は、上告人が

所得税法六〇条一項一号の「相続」によって

取得した財産に該当するというべきである。

 

したがって、上告人がその後にこれを他に売却したときの

譲渡所得の計算に当たっては、

相続前から引き続き所有していたものとして

取得費を考えることになるから、上告人が代償として

他の相続人に交付した金銭及びその交付のため銀行から

借り入れた借入金の利息相当額を

右相続財産の取得費に算入することはできない。

 

これと同旨の原審の判断は、

正当として是認することができ、

原判決に所論の違法はない。

 

論旨は、違憲をいう点を含め、独自の見解に立って

原審の右判断における法令の解釈適用の誤りを

いうものにすぎず、採用することができない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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