所得税法6条,28条1項,183条1項,民事執行法25条

( 平成23年3月22日最高裁)

事件番号  平成21(受)747

 

この裁判では、

給与等の支払をする者が判決に基づく強制執行により

その回収を受ける場合における源泉徴収義務の有無について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

所得税法183条1項は,給与等の支払をする者は,

その支払の際,その給与等について所得税を徴収し,

その徴収の日の属する月の翌月10日までに,

これを国に納付しなければならない旨を定めるところ,

給与等の支払をする者が,

強制執行によりその回収を受ける場合であっても,

それによって,上記の者の給与等の支払債務は消滅するのであるから,

それが給与等の支払に当たると解するのが相当であることに加え,

同項は,給与等の支払が任意弁済によるのか,

強制執行によるのかによって

何らの区別も設けていないことからすれば,

給与等の支払をする者は,上記の場合であっても,

源泉徴収義務を負うものというべきである。

 

上記の場合に,給与等の支払をする者がこれを支払う際に

源泉所得税を徴収することができないことは,

所論の指摘するとおりであるが,上記の者は,

源泉所得税を納付したときには,法222条に基づき,

徴収をしていなかった源泉所得税に相当する金額を,

その徴収をされるべき者に対して請求等することができるのであるから,

所論の指摘するところは,上記解釈を左右するものではない。

 

以上によれば,上告人らに対する賃金の支払を命ずる仮執行の宣言を付した

判決に基づく強制執行において,

民事執行法122条2項の規定により弁済を行った被上告人が

上記賃金に係る源泉所得税の徴収義務を負うとした原審の判断は,

正当として是認することができる。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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