手形法43条,手形法77条1項4号

(平成5年10月22日最高裁)

事件番号  平成3(オ)1476

 

最高裁判所の見解

約束手形の所持人が振出人に対し満期前に将来の給付の訴えとして

約束手形金請求訴訟を提起したが、口頭弁論終結前に満期が

到来した場合には、裏書人に対する遡求権行使の要件として、

支払呈示期間内に支払場所において振出人に対する

支払呈示をしなければならないというべきであり

(手形法四三条、七七条一項四号)、

振出人に対する右訴訟の提起ないし訴状の送達は、

裏書人に対する遡求権行使の要件である

支払呈示としての効力を有しないものと解するのが相当である。

 

けだし、支払呈示が裏書人に対する遡求権行使の要件とされているのは、

最終的な支払義務者である振出人に対し

支払呈示期間内に支払場所において支払呈示をすることにより、

請求者が約束手形の正当な所持人であることを確知させると同時に、

振出人によって支払がされるのか否かを

明らかにさせる必要があるためであるところ、

右の必要性は、振出人に対し将来の給付の訴えである

約束手形金請求訴訟が提起され、

その口頭弁論終結前に満期が到来した場合であっても

異なるところはないからである。これと同旨の見解に基づき、

上告人の被上告人らに対する本訴請求は遡求権行使の要件に

欠けるから理由がないとした原審の判断は、

正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。

論旨は、独自の見解に立って原判決を論難するものにすぎず、

採用することができない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

判例をわかりやすく解説コーナー


スポンサードリンク