損害の元本に対する遅延損害金を支払う旨の定めがない自動車保険契約

(平成24年4月27日最高裁)

事件番号  平成21(受)1923

 

この裁判では、

損害の元本に対する遅延損害金を支払う旨の定めがない

自動車保険契約の無保険車傷害条項に基づき

支払われるべき保険金の額の算定方法について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

本件約款によれば,無保険車傷害保険金は,

被害者等の被る損害の元本を塡補するものであり,

損害の元本に対する遅延損害金を塡補するものではないと解されるから,

本件約款に基づき被害者等に支払われるべき

無保険車傷害保険金の額は,

被害者等の被る損害の元本の額から,

被害者等に支払われた自賠責保険金等の

全額を差し引くことにより算定すべきであり,

自賠責保険金等のうち損害の元本に対する

遅延損害金に充当された額を控除した残額を差し引くことにより

算定すべきものとは解されない。

 

このことは,自賠責保険金等が無保険車傷害保険金の

弁済期後に支払われた場合であっても,異なるものではない

(なお,原審の上記3(1)イの判断は相当でないこととなる。)。

 

原審の上記3(1)アの判断は正当として是認することができ,

この点に関する論旨は理由がない。

 

(2) 次に,無保険車傷害保険金の支払債務は,

商人である被上告人との間で締結された

保険契約に基づくものであるから,

商行為によって生じた債務(商法514条)に当たるというべきであって,

無保険車傷害保険金の支払請求が賠償義務者に対する

損害賠償請求に代わる性質を有するとしても,そのことは,

上記支払債務に係る遅延損害金の利率を

賠償義務者に対する損害賠償請求の場合と

同様に解すべき理由にはならない。

 

したがって,無保険車傷害保険金の

支払債務に係る遅延損害金の利率は,

商事法定利率である年6分と解すべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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