新株発行不存在確認の訴えの出訴期間

(平成15年3月27日最高裁)

事件番号  平成12(受)469

 

最高裁判所の見解

新株発行不存在確認の訴えについては,商法に何ら規定がないが,

新株発行の実体がないのに新株発行の登記がされているなど

その外観が存する場合には,新株発行が無効である場合と同様に,

対世効のある判決をもって新株発行の不存在を確定し,

不実の外観を除去する必要があると認められるから,

商法280条ノ15以下に規定されている

新株発行無効の訴えに準じて新株発行不存在確認の訴えを肯定すべきである

(最高裁平成5年(オ)第316号同9年1月28日第三小法廷判決・

民集51巻1号40頁参照)。

 

そして,明文の規定がないにもかかわらず,

新株発行無効の訴えに準じて新株発行不存在確認の訴えを認めるのであるから,

同訴えについては,その性質に反しない限り

新株発行無効の訴えに関する規定を類推適用するのが相当である。

 

しかし,新株発行無効の訴えの出訴期間に関する規定については,

これを類推適用すべきでなく,新株発行不存在確認の訴えに

出訴期間の制限はないものと解するのが相当である。

 

新株発行不存在確認の訴えは,新株発行に瑕疵があるために

これを無効とすることを求める新株発行無効の訴えと異なり,

外観にかかわらず新株発行の実体が存しない場合に

その不存在の確認を求めるものであるが,

新株発行の不存在はこれを前提とする訴訟において

いつでも主張することができるから,

新株発行不存在確認の訴えの出訴期間を制限しても,

同期間の経過により新株発行の存否が

終局的に確定することにはならないのであり,

新株発行の効力を早期に確定させるために設けられた

出訴期間に関する規定を類推適用する合理的な

根拠を欠くというべきだからである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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