新株発行無効の訴えにおいて出訴期間経過後に新たな無効事由を追加して主張することの許否

(平成6年7月18日最高裁)

事件番号  平成3(オ)1807

 

最高裁判所の見解

新株発行は、株式会社を代表する権限のある取締役によって

行われたものである以上、新株発行に関する有効な

取締役会決議がなくても、有効であり

(最高裁昭和三二年(オ)第七九号同三六年三月三一日第二小法廷判決・

民集一五巻三号六四五頁)、また、

著しく不公正な方法により行われても同様であって、

このことは、発行された新株がその引受人の下に

とどまっている場合であっても異なるものではない

(最高裁平成二年(オ)第三九一号同六年七月一四日第一小法廷判決)。

 

右と同旨の見解に立って、所論の事由を新株発行の

無効の事由に当たらないとした原審の判断は、

正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。

 

論旨は、独自の見解に基づいて原判決を非難するものにすぎず、

採用することができない。

 

新株発行の無効の訴えにおいて、

商法二八〇条ノ一五第一項の出訴期間経過後に

新たな無効の事由を追加して主張することは

許されないものと解するのが相当である。

 

けだし、右規定が出訴期間を新株発行の日から六箇月内に制限したのは、

新株発行に伴う複雑な法律関係を早期に確定することにあるところ、

新たな無効の事由を右期間後も主張することができるものとすると、

右の法律関係が不安定になり右規定の趣旨が没却されることになるから、

右規定は無効の事由の主張をも制限したものと

解するのが相当であるからである

(最高裁昭和四八年(オ)第七九四号同五一年一二月二四日第二小法廷判決・

民集三〇巻一一号一〇七六頁参照)。

 

右と同旨の原審の判断は、正当として是認することができる。

論旨は、独自の見解に基づいて原判決を非難するものにすぎず、

採用することができない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

判例をわかりやすく解説コーナー


スポンサードリンク