旧会社更生法(平成14年法律第154号による改正前のもの)241条,会社更生法204条1項

(平成22年6月4日最高裁)

事件番号  平成20(受)2114

 

この裁判は、

更生会社であった貸金業者において,

届出期間内に届出がされなかった

更生債権である過払金返還請求権につきその責めを免れる旨

主張することが信義則に反しないとされた事例です。

 

最高裁判所の見解

(1) 上告人が,本件更生手続において,顧客に対し,

過払金返還請求権につき更生債権の届出をしないと

失権するなどの説明をしなかったからといって,

そのことをもって,上告人による失権の主張が

信義則に反するということはできない

(最高裁平成21年(受)第319号同年12月4日

第二小法廷判決・裁判集民事232号登載予定参照)。

 

そして,前記事実関係によれば,本件社告は,

本件更生手続において,更生手続開始の申立てがされた後,

更生手続開始の決定前にされたものであり,

カード会員の脱会を防止して従前の営業を継続し,

会社再建を阻害することなく進めることを目的として

行われたものとみることができるのであって,

その目的が不当であったとはいえない上,その内容も,

顧客に対し更生債権の届出をしなくても

失権することがないとの誤解を与えるようなものではなく,

その届出を妨げるようなものであったと評価することもできない。

 

そうであれば,本件社告が掲載された際に,上告人において,

過払金返還請求権につき債権の届出をしないと

失権するなどの説明をしなかったとしても,

以上と別異に解する余地はない。

 

また,上告人と同様にAをスポンサーとして進められた

Bの更生手続において,更生手続開始の決定前に発生した

過払金返還請求権につき,更生債権としての届出を必要とせず,

更生計画認可の決定による失権の効果は及ばないなどの取扱いがされたとしても,

異なる事情の下で進められた上告人の更生手続において,

これと同じ取扱いがされなければならないと解する根拠はなく,

上告人による失権の主張が信義則に反することになるものでもない。

 

そして,他に,上告人による失権の主張が,

信義則に反すると認められるような事情も見当たらない。

 

(2) そうすると,上告人による失権の主張が信義則に反すると判断して,

上告人が,被上告人に対し,本件決定当時発生していた

過払金の54.298%に相当する23万3967円及び

これに対する遅延損害金を支払うべきであるとした原審の判断には,

判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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