旧会社更生法78条1項1号に該当する行為についてした否認の効果が及ぶ目的物の範囲

(平成17年11月8日最高裁)

事件番号  平成17(オ)153

 

この裁判では、

旧会社更生法(平成14年法律第154号による改正前のもの)78条1項1号に

該当する行為についてした否認の効果が及ぶ目的物の範囲について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

1号否認権は,更生手続が開始されたことを前提に,

裁判所により選任され,更生会社の総財産についての管理権を

有する管財人が,旧会社更生法78条1項1号に該当する行為により

逸出した更生会社の一般財産を原状に回復させ,

更生債権者等に対する弁済原資を確保するとともに,

更生会社の事業の維持更生を図る目的の下に,

その職責上行使するものであって,一般の債権者が

民法424条に基づき個別的に自らの債権の確保を図るために

詐害行為取消権を行使する場合の取消債権者の

債権額のような限界は存在しないこと,

 

(2) 更生債権及び更生担保権については,

届出,調査の期日における調査,確定の訴え等の

旧会社更生法所定の手続によって確定すべきものとされている

(旧会社更生法125条,126条,135条,147条等)し,

届出期間内に届出をしなかった更生債権者及び更生担保権者であっても,

更生手続に参加することが一切できなくなるわけではなく,

期間後の届出が許される場合もある(同法127条,138条等)上,

更生会社に属する一切の財産の価額等については,

財産評定等の旧会社更生法所定の手続によって

確定すべきものとされている(同法177条等)ので,

管財人が1号否認権を行使する時点では,

更生債権,更生担保権,更生会社に属する財産の価額等が

すべて確定しているわけではないことに照らすと,

管財人が1号否認権を行使する場合には,

旧会社更生法78条1項1号に該当する行為の目的物が

複数で可分であったとしても,目的物すべてに

否認の効果が及ぶと解するのが相当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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