旧都市計画法(昭和43年法律第100号による廃止前のもの)3条,都市計画法18条1項

(平成18年9月4日最高裁)

事件番号  平成15(行ヒ)321

 

最高裁判所の見解

旧都市計画法は,都市施設に関する都市計画を決定するに当たり

都市施設の区域をどのように定めるべきであるかについて規定しておらず,

都市施設の用地として民有地を利用することができるのは

公有地を利用することによって行政目的を達成することができない場合に

限られると解さなければならない理由はない。

 

しかし,都市施設は,その性質上,土地利用,交通等の現状及び

将来の見通しを勘案して,

適切な規模で必要な位置に配置することにより,

円滑な都市活動を確保し,良好な都市環境を

保持するように定めなければならないものであるから,

都市施設の区域は,当該都市施設が適切な規模で

必要な位置に配置されたものとなるような

合理性をもって定められるべきものである。

 

この場合において,民有地に代えて公有地を

利用することができるときには,

そのことも上記の合理性を判断する

一つの考慮要素となり得ると解すべきである。

 

原審は,建設大臣が林業試験場には貴重な樹木が

多いことからその保全のため南門の位置は

現状のとおりとすることになるという前提の下に

本件民有地を本件公園の区域と定めたことは

合理性に欠けるものではないとして,

本件都市計画決定について

裁量権の範囲を逸脱し又は

これを濫用してしたものであるということはできないとする。

 

しかし,原審は,南門の位置を変更し,

本件民有地ではなく本件国有地を

本件公園の用地として利用することにより,

林業試験場の樹木に悪影響が生ずるか,悪影響が生ずるとして,

これを樹木の植え替えなどによって回避するのは困難であるかなど,

樹木の保全のためには南門の位置は現状のとおりとするのが望ましいという

建設大臣の判断が合理性を欠くものであるかどうかを

判断するに足りる具体的な事実を確定していないのであって,

原審の確定した事実のみから,南門の位置を現状のとおりとする

必要があることを肯定し,建設大臣がそのような前提の下に

本件国有地ではなく本件民有地を本件公園の区域と

定めたことについて合理性に欠けるものではないと

することはできないといわざるを得ない。

 

そして,樹木の保全のためには南門の位置は

現状のとおりとするのが望ましいという建設大臣の判断が

合理性を欠くものであるということができる場合には,更に,

本件民有地及び本件国有地の利用等の現状及び

将来の見通しなどを勘案して,

本件国有地ではなく本件民有地を本件公園の区域と定めた

建設大臣の判断が合理性を欠くものであるということが

できるかどうかを判断しなければならないのであり,

本件国有地ではなく本件民有地を本件公園の区域と定めた

建設大臣の判断が合理性を欠くものであるということができるときには,

その建設大臣の判断は,他に特段の事情のない限り,

社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものとなるのであって,

本件都市計画決定は,裁量権の範囲を超え又は

その濫用があったものとして違法となるのである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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