普通地方公共団体の長の旅行命令

(平成17年3月10日最高裁)

事件番号  平成13(行ヒ)40

 

最高裁判所の見解

普通地方公共団体の長は,当該普通地方公共団体の公務を

遂行するために合理的な必要性がある場合には,

その裁量により,補助機関である職員に対して

旅行命令を発することができるが,

上記裁量権の行使に逸脱又は濫用があるときは,

当該旅行命令は違法となるというべきである。

 

このことは,旅行命令が

普通地方公共団体の長から委任を受けるなどして

その権限を有するに至った職員により発せられる場合にも,

同様に当てはまるものと解される。

 

そこで,これを本件についてみると,前記事実関係によれば,

本件野球大会は,都道府県議会の議員が各議会対抗形式により

野球の試合を行うものであって,国体に協賛して

議員相互の親睦とスポーツ精神の高揚を図り,

地方自治の発展に寄与することを目的として掲げているものの,

国体実行委員会から協賛事業や関連行事とされていたものではなく,

地方自治の発展に寄与するような相互交流や意見交換の

機会も設けられていなかったというのであり,

本件野球大会に参加する県議会議員を応援することが

県の公務に当たるものということはできない。

 

また,前記事実関係によれば,大阪事務所において

訓示をする用務は,職務執行基準の総括職務執行管理者である

総務部長の職務に属するものではあるが,

本件出張の付随的な目的にすぎないものであって,

そのためにわざわざ大分市から大阪市まで

旅行する合理的な必要性があったということはできない。

 

そうすると,本件野球大会に参加する県議会議員を

応援する用務及び大阪事務所において訓示をする用務を

目的として発せられた本件旅行命令には,

裁量権を逸脱し又は濫用した違法があるというべきである。

これと同旨の原審の判断は,是認することができる。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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