期限付任用に係る非常勤の国家公務員である日々雇用職員の任用

(平成6年7月14日最高裁)

事件番号  平成4(オ)996

 

最高裁判所の見解

右事実関係によれば、上告人は、期限付任用に係る非常勤の

国家公務員である日々雇用職員、すなわち、任期を一日と定め、

任用予定期間内は任命権者が別段の措置をしない限り

任用を日々更新し、任用予定期間が経過したときは

任期満了により当然に退職する職員として任用されたものであるところ、

その任用当時、上告人が配属された

D大学付属図書館閲覧課第一閲覧掛の事務量は、

正規任用に係る常勤職員のみによって

処理することができる範囲を超えていたが、

直ちに常勤職員の定員を増加することは実際上困難であり、

同掛の業務のうち図書の貸出し、

返却図書の受領等のいわゆるカウンター業務は、

特別の習熟、知識、技術又は経験を必要としない代替的事務であって、

日々雇用職員によっても適正に処理することが

できるものであったとみることができる。

 

このような事情の下においては、日々雇用職員として

任用することを明示した上で、上告人をカウンター業務に

従事させることを予定して任用したことが、

職員の任用を原則として無期限とした

国家公務員法の趣旨に反するものとまでは解し難い。

 

したがって、D大学学長が上告人を日々雇用職員として

任用したことを違法ということはできないとした原審の判断は、

正当として是認することができ、右判断は、

所論引用の判例に抵触するものではない。

 

原判決に所論の違法はない。論旨は、以上と異なる見解に立って、

若しくは原判決を正解しないでこれを論難するか、

又は原審の専権に属する証拠の取捨判断、

事実の認定を非難するものであって、採用することができない。

 

 

原審の適法に確定した事実関係の下においては、

上告人は、昭和五九年三月三〇日に任用予定期間が

満了したことによって当然に退職したものとした原審の判断は、

正当として是認することができ、右判断は、

所論引用の判例に抵触するものではない。

 

原判決に所論の違法はない。論旨は、

独自の見解に立って原判決を論難するものであって、

採用することができない。

 

 
上告人が、日々雇用職員として任用され、

昭和五九年三月三〇日に任用予定期間が満了したことによって

退職したことは前示のとおりであるところ、

上告人が、任用予定期間の満了後に再び任用される権利若しくは

任用を要求する権利又は再び任用されることを

期待する法的利益を有するものと認めることはできないから、

D大学学長が上告人を再び任用しなかったとしても、

その権利ないし法的利益が侵害されたものと解する余地はない。

 

もっとも、任命権者が、日々雇用職員に対して、

任用予定期間満了後も任用を続けることを確約ないし保障するなど、

右期間満了後も任用が継続されると期待することが

無理からぬものとみられる行為をしたというような

特別の事情がある場合には、

職員がそのような誤った期待を抱いたことによる損害につき、

国家賠償法に基づく賠償を認める余地があり得るとしても、

原審の適法に確定した事実関係の下においては、

右のような特別の事情があるということはできない。

 

したがって、上告人の請求を排斥した原審の判断は、

正当として是認することができ、

原判決に所論の違法はない。

 

論旨は、違憲をいう点を含め、独自の見解に立って

原判決の右判断における

法令の解釈適用の誤りをいうものであって、

採用することができない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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