株式会社の代表取締役が取締役会の決議を経ないで重要な業務執行に該当する取引をした場合

(平成21年4月17日最高裁)

事件番号  平成19(受)1219

 

この裁判では、

株式会社の代表取締役が取締役会の決議を経ないで

重要な業務執行に該当する取引をしたことを理由に

同取引の無効を会社以外の者が主張することの可否について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

会社法362条4項は,

同項1号に定める重要な財産の処分も含めて

重要な業務執行についての決定を取締役会の決議事項と定めているので,

代表取締役が取締役会の決議を経ないで

重要な業務執行をすることは許されないが,

代表取締役は株式会社の業務に関して

一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有することにかんがみれば,

代表取締役が取締役会の決議を経ないでした重要な業務執行に該当する取引も,

内部的な意思決定を欠くにすぎないから,原則として有効であり,

取引の相手方が取締役会の決議を経ていないことを知り又は

知り得べかりしときに限り無効になると解される

(最高裁昭和36年(オ)第1378号同40年9月22日

第三小法廷判決・民集19巻6号1656頁参照)。

 

そして,同項が重要な業務執行についての決定を

取締役会の決議事項と定めたのは,

代表取締役への権限の集中を抑制し,

取締役相互の協議による結論に沿った業務の執行を確保することによって

会社の利益を保護しようとする趣旨に出たものと解される。

 

この趣旨からすれば,株式会社の代表取締役が

取締役会の決議を経ないで重要な業務執行に該当する取引をした場合,

取締役会の決議を経ていないことを理由とする同取引の無効は,

原則として会社のみが主張することができ,会社以外の者は,

当該会社の取締役会が上記無効を主張する旨の決議をしているなどの

特段の事情がない限り,これを主張することは

できないと解するのが相当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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