株式買取請求に係る「公正な価格」(ナカリセバ価格)

(平成23年4月26日最高裁)

事件番号  平成22(許)47

 

この裁判では、

吸収合併等によりシナジーその他の企業価値の増加が生じない場合に

消滅株式会社等の反対株主がした

株式買取請求に係る「公正な価格」の意義について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

(1) 吸収合併,吸収分割又は株式交換(以下「吸収合併等」という。)が

行われる場合,会社法785条2項所定の株主(以下「反対株主」という。)は,

吸収合併消滅株式会社,吸収分割株式会社又は株式交換完全子会社

(以下「消滅株式会社等」という。)に対し,

自己の有する株式を「公正な価格」で買い取るよう請求することができる(同条1項)。

 

このように反対株主に「公正な価格」での

株式の買取りを請求する権利が付与された趣旨は,

吸収合併等という会社組織の基礎に本質的変更をもたらす行為を

株主総会の多数決により可能とする反面,

それに反対する株主に会社からの退出の機会を与えるとともに,

退出を選択した株主には,吸収合併等がされなかったとした場合と

経済的に同等の状況を確保し,さらに,吸収合併等により

シナジーその他の企業価値の増加が生ずる場合には,

上記株主に対してもこれを適切に分配し得るものとすることにより,

上記株主の利益を一定の範囲で保障することにある。

 

このような趣旨に照らせば,

会社法782条1項所定の吸収合併等により

シナジーその他の企業価値の増加が生じない場合に,

同項所定の消滅株式会社等の反対株主がした

株式買取請求に係る「公正な価格」は,原則として,

当該株式買取請求がされた日における,

同項所定の吸収合併契約等を承認する旨の

決議がされることがなければその株式が有したであろう

価格(以下「ナカリセバ価格」という。)

をいうものと解するのが相当である

(最高裁平成22年(許)第30号同23年4月19日

第三小法廷決定・裁判所時報1530号登載予定参照)。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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