株式買取請求に係る株式の価格

(平成24年3月28日最高裁)

事件番号  平成23(許)7

 

最高裁判所の見解

1 会社法116条1項所定の株式買取請求権は,

その申立期間内に各株主の個別的な権利行使が予定されているものであって,

専ら一定の日(基準日)に株主名簿に記載又は

記録されている株主をその権利を行使することができる者と定め,

これらの者による一斉の権利行使を予定する

同法124条1項に規定する権利とは著しく異なるものであるから,

上記株式買取請求権が社債等振替法154条1項,

147条4項所定の「少数株主権等」に該当することは明らかである。

 

そして,会社法116条1項に基づく

株式買取請求(以下「株式買取請求」という。)に係る

株式の価格は,同請求をした株主と株式会社との協議が調わなければ,

株主又は株式会社による同法117条2項に基づく

価格の決定の申立て(以下「買取価格の決定の申立て」という。)を

受けて決定されるところ,振替株式について株式買取請求を

受けた株式会社が,買取価格の決定の申立てに係る事件の審理において,

同請求をした者が株主であることを争った場合には,

その審理終結までの間に個別株主通知がされることを

要するものと解される(最高裁平成22年(許)第9号同年12月7日

第三小法廷決定・民集64巻8号2003頁参照)。

 

上記の理は,振替株式について株式買取請求を受けた

株式会社が同請求をした者が株主であることを争った時点で

既に当該株式について振替機関の取扱いが

廃止されていた場合であっても,異ならない

 

なぜならば,上記の場合であっても,

同株式会社において個別株主通知以外の方法により

同請求の権利行使要件の充足性を判断することは困難であるといえる一方,

このように解しても,株式買取請求をする株主は,

当該株式が上場廃止となって振替機関の取扱いが

廃止されることを予測することができ,

速やかに個別株主通知の申出をすれば足りることなどからすれば,

同株主に過度の負担を課すことにはならないからである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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