死刑の量刑が維持された事例

(平成17年3月3日最高裁)

事件番号  平成13(あ)1237

 

最高裁判所の見解

本件各犯行中,詐欺及び殺人事件は,

被告人が,共犯者2名を巧みに利用して,

一人暮らしの老女(当時82歳)が所有する土地を同女に無断で売却し,

不動産業者から合計2億円余を詐取した後,

被告人単独で,上記詐欺の事実の発覚を防ぐため,

被告人方で睡眠中の同女のけい部を手やひも様の物で

強く絞め付けるなどして同女を殺害し,さらに,

上記詐欺及び殺人の全責任を上記共犯者のうちの1名(当時38歳の男性)に

押し付けて自己の刑責を免れるため,種々の工作をした上,

同人を人気のない山中に連れ込んで,至近距離から

その頭部をねらってけん銃を発射し,頭部に弾丸を命中させて殺害し,

上記詐欺によって得た利益のほとんどを

自己の手中に収めたという事案である。

 

上記各犯行は,罪質が極めて悪質であり,

金銭的利欲のために犯した計画的な犯行であって,

動機に酌量の余地がなく,殺害の態様も冷酷,非情である。

 

結果はもとより重大であり,遺族らの被害感情も厳しく,

社会的影響も大きい。被告人は,公判廷で,

帰宅したときには既に老女は死んでいたなどと不自然な弁解をしており,

自責の念がうかがえない。さらに,被告人は,

上記犯行後の逃亡生活中に覚せい剤使用,覚せい剤所持,

けん銃加重所持の犯行にも及んでいる。

 

以上の事情に照らすと,被告人が,殺人の被害者1名の遺族に対し,

弁償金の一部として500万円を支払っていることなど,

被告人のために酌むべき事情を十分考慮しても,

被告人を死刑に処した原判断は,

やむを得ないものとして当裁判所もこれを是認せざるを得ない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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