民事上の請求として運輸大臣の設置管理に係る第二種空港を民間航空機の離着陸に使用させることの差止めを求める訴えの適否

(平成6年1月20日最高裁)

事件番号  平成4(オ)1180

 

最高裁判所の見解

本件空港は、空港整備法二条一項二号にいう第二種空港であって、

同法四条一項の規定により運輸大臣が設置し、

管理するものであるところ、このような本件空港において

民間航空機の離着陸の差止めを請求することは、

民事上の請求としては不適法であるとした原審の判断は、

正当であり(最高裁昭和五一年(オ)三九五号同五六年一二月一六日大法廷判決・

民集三五巻一〇号一三六九頁参照)、右判断に所論の違法はない。

また、自衛隊の使用する航空機(以下「自衛隊機」という。)について、

その離着陸の差止めを請求することは、

防衛庁長官にゆだねられた自衛隊機の運航に関する権限の

行使の取消変更ないしその発動を求める請求を

包含することになるものであるから、

行政訴訟としてどのような要件の下に

どのような請求をすることができるかはともかくとして、

民事上の請求としては不適法であるというべきであり

(最高裁昭和六二年(オ)第五八号平成五年二月二五日第一小法廷判決・

民集四七巻二号六四三頁参照)、自衛隊機に関して

本件差止請求に係る訴えを不適法とした原審の判断は、

結論において正当として是認することができる。

 

次に、原審が適法に確定したところによると、

本件空港に係る被上告人とアメリカ合衆国軍隊(以下「米軍」という。)との関係は

条約に基づくものであるから、被上告人は、

条約ないしこれに基づく国内法令に特段の定めがない限り、

米軍の本件空港の使用を制限し得るものではなく、

関係条約及び国内法令に右のような特段の定めはない。

 

そうすると、上告人らが米軍の使用する航空機の

離着陸等の差止めを請求するのは、

被上告人に対してその支配の及ばない

第三者の行為の差止めを請求するものというべきであるから、

その請求は、その余について判断するまでもなく、

主張自体失当として棄却を免れない(前記第一小法廷判決参照)。

 

しかしながら、右請求に係る訴えを不適法として却下した

一審判決を取り消して請求を棄却することは

不利益変更禁止の原則に触れるから、

右却下部分に対する控訴は棄却するほかなく、

原判決は結局において相当である。

 

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