民事執行法172条1項,民事保全法38条1項,民事保全法52条,民法703条

(平成21年4月24日最高裁)

事件番号  平成20(受)224

 

この裁判では、

保全すべき権利が発令時から存在しなかったものと

本案訴訟の判決で判断され,仮処分命令が

事情の変更により取り消された場合において,

当該仮処分命令の保全執行としてされた

間接強制決定に基づき取り立てられた金銭につき,

不当利得返還請求をすることができるかについて

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

仮処分命令における保全すべき権利が,

本案訴訟の判決において,当該仮処分命令の発令時から

存在しなかったものと判断され,

このことが事情の変更に当たるとして

当該仮処分命令を取り消す旨の決定が確定した場合には,

当該仮処分命令を受けた債務者は,

その保全執行としてされた間接強制決定に基づき

取り立てられた金銭につき,

債権者に対して不当利得返還請求をすることができる。

 

その理由は,次のとおりである。

間接強制は,債務の履行をしない債務者に対し,

一定の額の金銭(以下「間接強制金」という。)

を支払うよう命ずることにより,

債務の履行を確保しようとするものであって,

債務名義に表示された債務の履行を確保するための手段である。

 

そうすると,保全執行の債務名義となった

仮処分命令における保全すべき権利が,

本案訴訟の判決において当該仮処分命令の発令時から

存在しなかったものと判断され,

これが事情の変更に当たるとして

当該仮処分命令を取り消す旨の決定が確定した場合には,

当該仮処分命令に基づく間接強制決定は,

履行を確保すべき債務が存しないのに

発せられたものであったことが明らかであるから,

債権者に交付された間接強制金は法律上の原因を欠いた

不当利得に当たるものというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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