民法481条,民事保全法50条,民訴法262条1項

(平成14年6月7日最高裁)

事件番号  平成13(受)1662

 

最高裁判所の見解

本件は,金銭債権を差し押さえた

債権者の第三債務者に対する取立訴訟であって,

原審が適法に確定した事実関係の概要は次のとおりである。

 

上告人は,株式会社D(以下「債務者」という。)に対して

有する請負代金債権を保全するため,債務者が被上告人に対して

有する請負代金債権(以下「本件被差押債権」という。)について

仮差押命令を得,同命令は,平成9年5月3日,被上告人に送達された。

 

上告人は,上記仮差押命令の執行の本執行として本件被差押債権の

一部(以下「本件債権」という。)につき差押命令を得,

同命令は,同11年6月29日,被上告人に送達され,

上告人は取立権を取得した。その後,上告人は

上記仮差押命令の申立て及びその執行の申立てを取り下げたが,

被上告人は,上記本執行までの間に,債務者に対する弁済等により

本件債権を全額消滅させていた。

 

金銭債権に対する仮差押命令の送達を受けた第三債務者は,

債権者との関係において被差押債権につき

債務者への弁済を禁止され(民事保全法50条1項),

これをしてもその弁済をもって債権者に対抗することができない。

 

この効力は,仮差押命令及び

その執行(以下,併せて「仮差押え」という。)に

より生ずるものであって,

仮差押えが存続する限り存続し,仮差押えが消滅すれば消滅する。

 

そして,このことは本執行が開始された後も

変わらないものと解するのが相当である。

 

したがって,債権の仮差押え後本執行による差押えの効力が

生ずるまでの間に第三債務者が

被差押債権を弁済した場合において,

債権者が仮差押えを取り下げたときは,

仮差押えによって第三債務者につき生じていた

上記弁済禁止の効力はさかのぼって

消滅し(民事保全法7条,民訴法262条1項),

第三債務者は被差押債権の弁済をもって

債権者に対抗することができることになる。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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