民法564条にいう「事実ヲ知リタル時」の意義

(平成13年2月22日最高裁)

事件番号  平成11(オ)1261

 

最高裁判所の見解

売買の目的である権利の一部が他人に属し,

又は数量を指示して売買した物が

不足していたことを知ったというためには,

買主が売主に対し担保責任を追及し得る程度に

確実な事実関係を認識したことを要すると解するのが相当である。

 

本件のように,土地の売買契約が締結された後,

土地の一部につき,買主と同土地の隣接地の所有者との間で

所有権の帰属に関する紛争が生起し,

両者が裁判手続において争うに至った場合において,

隣接地の所有者がその手続中で係争地が同人の

所有に属することを明確に主張したとしても,

買主としては,その主張の当否について

公権的判断を待って対処しようとするのが通常であって,

そのような主張があったことから直ちに買主が係争地は

売主に属していなかったとして売主に対し担保責任を

追及し得る程度に確実な事実関係を

認識したということはできない。

 

以上説示したところによれば,

上告人の本件代金減額請求権について,

仮処分申立て事件においてDから答弁書が提出された時点をもって,

民法564条所定の除斥期間の起算点と解するのが

相当であるとした原審の判断は,

同条の解釈を誤ったものといわざるを得ない。

 

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