民訴法5条9号,不正競争防止法3条1項

(平成16年4月8日最高裁)

事件番号  平成15(許)44

 

民訴法5条9号は,「不法行為に関する訴え」につき,

当事者の立証の便宜等を考慮して,「不法行為があった地」を

管轄する裁判所に訴えを提起することを認めている。

 

同号の規定の趣旨等にかんがみると,

この「不法行為に関する訴え」の意義については,

民法所定の不法行為に基づく訴えに限られるものではなく,

違法行為により権利利益を侵害され,

又は侵害されるおそれがある者が提起する侵害の停止又は

予防を求める差止請求に関する訴えをも

含むものと解するのが相当である。

 

そして,不正競争防止法は,他人の商品等表示として

需要者の間に広く認識されているものと同一又は

類似の商品等表示を使用するなどして他人の商品又は営業と

混同を生じさせる行為等の種々の類型の行為を「不正競争」として

定義し(同法2条1項),この「不正競争」によって

営業上の利益を侵害され,又は侵害されるおそれがある者は,

その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し,

その侵害の停止又は予防を請求することが

できることを定めている(同法3条1項)。

 

民訴法5条9号の規定の上記意義に照らすと,

不正競争防止法3条1項の規定に基づく不正競争による

侵害の停止等の差止めを求める訴え及び

差止請求権の不存在確認を求める訴えは,

いずれも民訴法5条9号所定の訴えに該当するものというべきである。

 

そうすると,本件訴えは,

同号所定の訴えに該当するというべきであるから,

これと異なる原審の判断には,

裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。

 

論旨は,理由があり,原決定は破棄を免れない。

そして,民訴法17条による移送の可否等について

更に審理を尽くさせるため,本件を原審に差し戻すこととする。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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