民訴法55条2項
(平成12年3月24日最高裁)
事件番号 平成8(オ)2177
最高裁判所の見解
事実関係によれば、本件請求権と前訴における各請求権とは、
いずれも、本件保養所の利用に関して同一当事者間に生じた
一連の紛争に起因するものということができる。
そうすると、坂和弁護士は、訴外会社から、
前訴事件について訴訟上の和解をすることについて
委任されていたのであるから、本件請求権について
和解をすることについて具体的に委任を受けていなかったとしても、
前訴事件において本件請求権を含めて
和解をする権限を有していたものと解するのが相当である。
五 したがって、これと異なる判断の下に、
右和解において坂和弁護士が本件請求権を
放棄する権限を有しなかったことを理由に、
本件請求権について本件放棄清算条項は無効であるとした原判決には、
法令の解釈適用を誤った違法があり、
その違法は原判決の結論に影響を及ぼすことが明らかである。
論旨はこれと同旨をいうものとして理由があり、
原判決は破棄を免れない。
そして、原審の確定した事実によれば、
被上告人の請求を棄却した第一審判決の結論は正当であって、
被上告人の控訴はこれを棄却すべきものである。
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