民訴法76条,民訴規則29条,民事調停規則6条

(平成11年4月16日最高裁)

事件番号  平成8(オ)2358

 

最高裁判所の見解

民事調停規則六条による民事執行の手続の停止の申立てに当たり、

同条四項、民訴法七六条(旧民訴法一一二条)、

民訴規則二九条(旧民訴規則二条の二)により、

支払保証委託契約を締結する方法によって担保を立てる場合において、

担保提供義務者である申立人以外の第三者が保証委託者として

契約を締結するときは、第三者は、担保提供義務者に代わって、

銀行等に対し、担保提供義務者が担保権利者に対して

損害賠償債務を負うに至ったときに

これを支払うことを委託するものであり、

右契約によって銀行等が支払を約束する債務の内容や、

担保権利者による権利行使の方法は、

担保提供義務者自身が契約を締結した場合と何ら異なるものではなく、

担保権利者である執行停止の相手方が銀行等に対して

支払を請求するに当たり提示すべき債務名義又は

その請求権の存在を確認する確定判決若しくはこれと

同一の効力を有するもの(民訴規則二九条一項一号、二項)は、

申立人本人を当事者として成立したものであることを

要すると解するのが相当である。

 

実務上用いられている支払保証委託契約書において

第三者が原審判示のように表示されているからといって、

右解釈を左右すべき理由はない。

 

これを本件についてみるに、被上告人らの予備的請求は、

第三者である上告人を被告として、Dが被上告人らに対して、

執行停止の申立てに基づく損害賠償債務を

負うことの確認を求めるものであるから、

右請求に係る訴えは、被上告人らの担保権の行使のためには

無益な訴えというべきであり、このことは、

G銀行が原審の指摘するような理解をしていたとしても同様である。

 

その他、本件において被上告人らが右訴えにつき

即時確定の利益を有するものと解すべき

事情を認めることはできないから、

右訴えは、確認の利益を欠き、不適法なものというほかはない。

 

以上と異なり、予備的請求につき確認の利益があるとした

原判決の判断には、法令の解釈適用を誤った違法があり、

その違法は原判決の結論に影響を及ぼすことが明らかである。

 

論旨は理由があり、原判決中予備的請求を認容した部分は

破棄を免れず、右部分に係る訴えを却下すべきである。

 

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