求償権が再生債権である場合に共益債権である原債権を再生手続によらないで行使することの可否

(平成23年11月24日最高裁)

事件番号  平成22(受)1587

 

この裁判では、

求償権が再生債権である場合において共益債権である

原債権を再生手続によらないで行使することの可否について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

弁済による代位の制度は,代位弁済者が

債務者に対して取得する求償権を

確保するために,法の規定により弁済によって

消滅すべきはずの債権者の債務者に対する

債権(以下「原債権」という。)及び

その担保権を代位弁済者に移転させ,代位弁済者が

その求償権の範囲内で原債権及びその担保権を行使することを認める

制度であり(最高裁昭和55年(オ)第351号同59年5月29日

第三小法廷判決・民集38巻7号885頁,

同昭和58年(オ)第881号同61年2月20日第一小法廷判決・

民集40巻1号43頁参照),原債権を求償権を確保するための

一種の担保として機能させることをその趣旨とするものである。

この制度趣旨に鑑みれば,弁済による代位により

民事再生法上の共益債権を取得した者は,

同人が再生債務者に対して

取得した求償権が再生債権にすぎない場合であっても,

再生手続によらないで上記共益債権を

行使することができるというべきであり,

再生計画によって上記求償権の額や弁済期が

変更されることがあるとしても,上記共益債権を行使する限度では

再生計画による上記求償権の権利の変更の効力は及ばないと解される

(民事再生法177条2項参照)。以上のように解したとしても,

他の再生債権者は,もともと原債権者による

上記共益債権の行使を甘受せざるを得ない立場にあったのであるから,

不当に不利益を被るということはできない。

これを本件についてみると,前記事実関係によれば,

弁済による代位により本件前渡金の返還請求権を取得した被上告人は,

Bに代位して,再生手続によらないで

上記請求権を行使することができるというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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