求償権が破産債権である場合において財団債権である原債権を破産手続によらないで行使することの可否

(平成23年11月22日最高裁)

事件番号  平成22(受)78

 

この裁判では、

求償権が破産債権である場合において財団債権である

原債権を破産手続によらないで行使することの可否について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

弁済による代位の制度は,

代位弁済者が債務者に対して取得する求償権を

確保するために,法の規定により弁済によって消滅すべきはずの

原債権及びその担保権を代位弁済者に移転させ,

代位弁済者がその求償権の範囲内で原債権及び

その担保権を行使することを認める制度であり

(最高裁昭和55年(オ)第351号同59年5月29日

第三小法廷判決・民集38巻7号885頁,

同昭和58年(オ)第881号同61年2月20日

第一小法廷判決・民集40巻1号43頁参照),

原債権を求償権を確保するための一種の担保として機能させることを

その趣旨とするものである。この制度趣旨に鑑みれば,

求償権を実体法上行使し得る限り,これを確保するために

原債権を行使することができ,

求償権の行使が倒産手続による制約を受けるとしても,

当該手続における原債権の行使自体が制約されていない以上,

原債権の行使が求償権と同様の制約を

受けるものではないと解するのが相当である。

 

そうであれば,弁済による代位により財団債権を取得した者は,

同人が破産者に対して取得した求償権が破産債権にすぎない場合であっても,

破産手続によらないで上記財団債権を

行使することができるというべきである。

 

このように解したとしても,他の破産債権者は,

もともと原債権者による上記財団債権の行使を

甘受せざるを得ない立場にあったのであるから,

不当に不利益を被るということはできない。

 

以上のことは,上記財団債権が労働債権であるとしても

何ら異なるものではない。

 

したがって,上告人は,破産手続によらないで

本件給料債権を行使することができるというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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