池袋通り魔殺人事件

(平成19年4月19日最高裁)

事件番号  平成15(あ)2619

 

本件は,被告人が,現在の日本では自分の努力が正当に評価されず,

不本意な生活を強いられているのに,

大部分の日本人は努力もせずに享楽的な生活を送っているなどと思い込み,

日本の社会に対して強い不満を抱いていたところ,

快く思っていなかった職場の同僚からと

推測されるいたずら電話を受けたことを切っ掛けに,

うっ積した感情を爆発させ,

日本の社会を構成する人間を無差別に殺害しようと決意し,

あらかじめ凶器とする包丁と玄能を買い求めた上,

白昼の繁華街で,突如周囲の通行人を次々と襲い,

女性2名(当時66歳と29歳)の胸部や腰部を

それぞれ包丁で強く刺突して殺害し,男性(当時71歳)の

頭部を玄能で殴打した上,包丁で切り付けるなどして重傷を負わせたほか,

通行人7名に切り付け,うち5名に傷害を与えたという事案である。

 

白昼,目についた通行人を手当たり次第に

襲った犯行の罪質は極めて悪質であり,

動機に酌量の余地がなく,犯行の態様が冷酷,非情,残忍である。

 

被害者らには何一つ落ち度がなく,

2名の尊い命を奪った結果は甚だ重大であり,

遺族の処罰感情もしゅん烈である。

 

また,無差別の通り魔事件として社会に与えた衝撃も大きい。

 

以上のような事情に照らすと,さしたる前科のないことなど,

被告人のために酌むべき事情を十分考慮しても,

被告人の罪責は誠に重大であり,被告人を死刑に処した

第1審判決を維持した原判断は,

やむを得ないものとして当裁判所もこれを是認せざるを得ない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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