法人税法2条13号所定の収益事業

(平成20年9月12日最高裁)

 

事件番号  平成18(行ヒ)177

 

この裁判は、

宗教法人が死亡したペットの飼い主から依頼を受けて

葬儀,供養等を行う事業が法人税法2条13号所定の

収益事業に当たるとされた事例です。

 

最高裁判所の見解

上記事実関係によれば,本件ペット葬祭業は,外形的に見ると,

請負業,倉庫業及び物品販売業並びにその性質上

これらの事業に付随して行われる行為の形態を有するものと認められる。

 

法人税法が,公益法人等の所得のうち収益事業から生じた所得について,

同種の事業を行うその他の内国法人との競争条件の平等を図り,

課税の公平を確保するなどの観点から

これを課税の対象としていることにかんがみれば,

宗教法人の行う上記のような形態を有する事業が

法人税法施行令5条1項10号の請負業等に該当するか否かについては,

事業に伴う財貨の移転が役務等の対価の支払として行われる性質のものか,

それとも役務等の対価でなく喜捨等の性格を有するものか,

また,当該事業が宗教法人以外の法人の

一般的に行う事業と競合するものか否か等の観点を踏まえた上で,

当該事業の目的,内容,態様等の諸事情を社会通念に照らして

総合的に検討して判断するのが相当である。

 

前記事実関係によれば,本件ペット葬祭業においては,

上告人の提供する役務等に対して

料金表等により一定の金額が定められ,

依頼者がその金額を支払っているものとみられる。

 

したがって,これらに伴う金員の移転は,

上告人の提供する役務等の対価の支払として

行われる性質のものとみるのが相当であり,

依頼者において宗教法人が行う葬儀等について

宗教行為としての意味を感じて金員の支払をしていたとしても,

いわゆる喜捨等の性格を有するものということはできない。

 

また,本件ペット葬祭業は,その目的,内容,料金の定め方,

周知方法等の諸点において,宗教法人以外の法人が

一般的に行う同種の事業と基本的に異なるものではなく,

これらの事業と競合するものといわざるを得ない。

 

前記のとおり,本件ペット葬祭業が

請負業等の形態を有するものと認められることに加えて,

上記のような事情を踏まえれば,宗教法人である上告人が,

依頼者の要望に応じてペットの供養をするために,

宗教上の儀式の形式により葬祭を執り行っていることを考慮しても,

本件ペット葬祭業は,

法人税法施行令5条1項1号,9号及び10号に規定する事業に該当し,

法人税法2条13号の収益事業に当たると解するのが相当である。

 

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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