法定刑超過による非常上告

(平成16年6月11日最高裁)

事件番号  平成16(さ)1

 

最高裁判所の見解

小田原簡易裁判所は,平成15年7月11日,

「被告人は,法定の除外事由がないのに,

平成14年2月2日午後1時40分ころ,

神奈川県秦野市a町b番c号付近道路において,

国土交通大臣の委任を受けた最寄りの

地方運輸支局長の行う検査を受けておらず,

有効な自動車検査証の交付を受けているものでなく,かつ,

自動車損害賠償責任保険又は自動車損害賠償責任共済の契約が

締結されていない普通自動車(車台番号FE518BN500015号)を

運転して運行の用に供したものである。」との事実を認定した上,

(1) 平成14年法律第89号による改正前の道路運送車両法

(以下「道路運送車両法」という。)108条1号,58条1項,

62条1項,平成14年政令第343号による

改正前の同法施行令(以下「同法施行令」という。)9条1項2号,

2項1号,(2) 平成13年法律第83号による改正前の

自動車損害賠償保障法(以下「自動車損害賠償保障法」という。)87条1号,5条,

(3) 刑法54条1項前段その他の関係法令を適用し,

被告人を罰金30万円に処する旨の略式命令を発し,

この命令は同月31日確定した。

 

しかし,上記(1)の罪の法定刑は「6月以下の懲役又は20万円以下の罰金」,

上記(2)の罪のそれは「6月以下の懲役又は5万円以下の罰金」であるところ,

原略式命令が被告人の所為は1個の行為が2個以上の罪名に

触れる場合に当たるものとして刑法54条1項前段を適用したのは正当であり,

本件については,犯情の重い上記(1)の罪の刑で処断すべきものとして,

罰金刑を選択した場合には,その処断刑の多額は20万円である。

 

したがって,これを超過して被告人を罰金30万円に処した原略式命令は,

法令に違反し,かつ,被告人のため不利益である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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