海軍軍法会議が言い渡した有罪の確定判決に対する再審請求の許否
(昭和63年4月12日最高裁)
事件番号 昭和61(す)44
最高裁判所の見解
まず、本件抗告申立自体の適否について検討する。
本件再審請求の対象となつた確定判決は、
舞鶴鎮守府軍法会議が海軍軍法会議法により
昭和二〇年二月二三日に言い渡し、
同年三月六日に確定した有罪判決であるが、
その後の関連法令の改廃の経過については、
原原決定が判示するとおりであるところ、
同法を廃止した昭和二一年勅令第二七八号失効後においても、
右確定判決は、旧刑訴法四八五条の
「有罪ノ言渡ヲ為シタル確定判決」に当たり、
これに対しては、同条により再審の請求ができると解すべきである。
そして、その再審請求を棄却した決定に対する
旧刑訴法五一〇条による即時抗告を棄却した決定に対する
不服申立は、同法四六九条三号による即時抗告ではなく、
刑訴法施行法二条にいう
「新法施行前に公訴の提起があつた事件」に
ついてのものとして刑訴応急措置法一八条に定めている
特別抗告に限られるのであるから、
旧刑訴法四六九条三号によるとする本件申立ではあるが、
これを刑訴応急措置法一八条による
適法な特別抗告の申立として扱うのが相当である。
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