消費税法9条1項

(平成17年2月1日最高裁)

事件番号  平成12(行ヒ)126

 

この裁判では、

事業者が消費税の課税期間に係る基準期間中の課税資産の譲渡等につき

消費税を納める義務を免除された場合における当該基準期間中の

消費税法(平成15年法律第8号による改正前のもの)9条1項所定の

課税売上高の算定について裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

消費税法9条1項は,課税期間に係る基準期間(事業者が法人の場合は,

法2条1項14号により,その事業年度の前々事業年度をいう。)における

課税売上高が3000万円以下である事業者について,

その課税期間中の課税資産の譲渡等につき

消費税を納める義務を免除するものと規定する。

 

法9条1項に規定する「基準期間における課税売上高」とは,

事業者が小規模事業者として消費税の納税義務を

免除されるべきものに当たるかどうかを決定する基準であり,

事業者の取引の規模を測定し,

把握するためのものにほかならない。

 

ところで,資産の譲渡等を課税の対象とする消費税の課税標準は,

事業者が行う課税資産の譲渡等の対価の額であり(法28条1項),

売上高と同様の概念であって,

事業者が行う取引の規模を直接示すものである。

 

そこで,法9条2項1号は,上記の課税売上高の意義について,

消費税の課税標準を定める法28条1項の

規定するところに基づいてこれを定義している。

 

すなわち,法9条2項1号は,上記の課税売上高とは,

基準期間が1年である法人の場合,基準期間中に国内において行った

課税資産の譲渡等の対価の額(法28条1項に規定する対価の額をいう。)の

合計額から所定の金額を控除した残額をいうものと規定する。

 

そして,同項は,「課税資産の譲渡等に係る消費税の課税標準は,

課税資産の譲渡等の対価の額(対価として収受し,

又は収受すべき一切の金銭又は金銭以外の物若しくは

権利その他経済的な利益の額とし,課税資産の譲渡等につき

課されるべき消費税に相当する額を含まないものとする。)とする。」

と規定する。

 

法28条1項の趣旨は,課税資産の譲渡等の対価として

収受された金銭等の額の中には,当該資産の譲渡等の相手方に

転嫁された消費税に相当するものが含まれることから,

課税標準を定めるに当たって上記のとおりこれを控除することが

相当であるというものである。

 

したがって,消費税の納税義務を負わず,

課税資産の譲渡等の相手方に対して自らに

課される消費税に相当する額を転嫁すべき

立場にない免税事業者については,

消費税相当額を上記のとおり控除することは,

法の予定しないところというべきである。

 

以上の法9条及び28条の趣旨,目的に照らせば,

法9条2項に規定する

「基準期間における課税売上高」を算定するに当たり,

課税資産の譲渡等の対価の額に含まないものとされる

「課されるべき消費税に相当する額」とは,

基準期間に当たる課税期間について事業者に

現実に課されることとなる消費税の額をいい,

事業者が同条1項に該当するとして

納税義務を免除される消費税の額を含まないと解するのが相当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

判例をわかりやすく解説コーナー


スポンサードリンク