滋賀県情報公開条例6条3号の非公開情報

(平成19年5月29日最高裁)

事件番号  平成18(行ヒ)187

 

この裁判は、

県警察本部の支出した捜査費等に係る個人名義の領収書のうち

実名とは異なる名義で作成されたものに記載された

当該名義人の氏名,住所等に関する情報が滋賀県情報公開条例

(平成12年滋賀県条例第113号。平成16年滋賀県

条例第30号による改正前のもの)6条3号所定の

非公開情報に当たるとされた事例です。

 

最高裁判所の見解

事実関係等によれば,

① 本件領収書は,いずれも,滋賀県警において,

情報提供者等から犯罪捜査に関連する情報の提供や種々の協力を受け,

その対価として捜査費等を支払った際に作成されたものである,

② 本件領収書中の氏名及び住所の記載は,

事件関係者等の周辺に存在する情報提供者等が

何らかの事情で情報提供者等として特定されることを危ぐし,

真実とは異なる記載をしたものである,

③ 本件領収書中の氏名,住所,受領年月日及び受領金額の記載は,

上記情報提供者等がすべて自筆で記載したものである,

④ 本件領収書には,例えば,作成者の特異な筆跡の現れたたぐいのもの,

偽名を実名と1字しか違えていないたぐいのもの,

住所の記載を作成者の住所の近隣としているたぐいのものなど

多種多様な記載がされている可能性があるというのである。

 

これらの事実を前提とすると,仮に,

本件条例に基づき本件領収書の記載が公にされることになれば,

情報提供者等に対して自己が情報提供者等であることが

事件関係者等に明らかになるのではないかとの危ぐを抱かせ,

その結果,滋賀県警において情報提供者等から

捜査協力を受けることが困難になる可能性を否定することはできない。

 

また,事件関係者等において,本件領収書の記載の内容や

その筆跡等を手掛りとして,内情等を捜査機関に

提供し得る立場にある者に関する知識や犯罪捜査等に関して

知り得る情報等を総合することにより,

本件領収書の作成者を特定することが

容易になる可能性も否定することができない。

 

そうすると,本件領収書の記載が公にされた場合,

犯罪の捜査,予防等に支障を及ぼすおそれがあると認めた

上告人の判断が合理性を欠くということはできないから,

本件領収書には本件条例6条3号所定の非公開情報が

記録されているというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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