無断転貸と背信行為

(平成21年11月27日最高裁)

事件番号  平成20(受)1340

 

最高裁判所の見解

事実関係によれば,第1転貸は,

本件土地の賃借人である上告人Yが,

賃貸人である被上告人の承諾を得て本件土地上の

上告人Y 所有の旧建物を建 て替えるに当たり,

新築された本件建物につき,

C及び上告人Yの共有とするこ とを容認し,

これに伴い本件土地を転貸したものであるところ,

第1転貸による転借人らであるC及び上告人Y は,

上告人Y の子及び妻であって,建て替えの前後 を通じて

借地上の建物において上告人Y と同居しており,

第1転貸によって本件 土地の利用状況に変化が生じたわけではない上,

被上告人は,上告人Y の持分を 10分の1,

Cの持分を10分の7,上告人Y の持分を10分の2として,

建物 を建て替えることを承諾しており,

上告人Y の持分とされるはずであった本件建 物の

持分10分の1が上告人Y の持分とされたことに伴う限度で

被上告人の承諾 を得ることなく

本件土地が転貸されることになったにとどまるというのである。

 

そして,被上告人は,上告人Y とCが各2分の1の

持分を取得することを前提として

合意した承諾料につき,これを増額することなく,

上告人Y ,C及び上告人Yの各持分を上記割合として

建物を建て替えることを承諾し,上記の限度で無断転貸となる

第1転貸がされた事実を知った後も当初は

これを本件解除の理由とはしなかったというのであって,

被上告人において,上告人Y が本件建物の持分10分の 1を

取得することにつき重大な関心を有していたとは解されない。

 

そうすると,上告人Y は本件建物の持分を取得しない旨の

説明を受けていた場 合に被上告人において

承諾料の増額を要求していたことが

推認されるとしても,第1転貸が上記の限度で被上告人に

無断で行われたことにつき,賃貸人である被上告人に対する

背信行為と認めるに足りない特段の事情があるというべきである。

 

(2) また,前記事実関係によれば,第2転貸は,

本件土地の賃借人である上告人Y が,

本件土地上の本件建物の共有者であるCにおいて

その持分を上告人Y に 譲渡することを容認し,

これに伴い上告人Y に本件土地を転貸したものであるところ,

上記の持分譲渡は,上告人Y の子であるCから,

その妻である上告人Yに対し,

離婚に伴う財産分与として行われたものである上,

上告人Y は離婚前から本件土地に上告人Y らと共に居住しており,

離婚後にCが本件建物から退去したほかは,

本件土地の利用状況には変化が生じていないというのであって,

第2転貸により賃貸人である被上告人が

何らかの不利益を被ったことは全くうかがわれない。

 

そうすると,第2転貸が被上告人に

無断で行われたことについても,

上記の特段の事情があるというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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