特許法67条2項,特許法67条の3第1項1号,特許法68条の2,薬事法14条1項

(平成23年4月28日最高裁)

事件番号  平成21(行ヒ)326

 

この裁判では、

特許権の存続期間の延長登録出願の理由となった

薬事法14条1項による製造販売の承認に先行して

当該承認の対象となった医薬品と

有効成分並びに効能及び効果を同じくする

医薬品について同項による製造販売の承認がされていることを

延長登録出願の拒絶の理由とすることが許されない場合について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

特許権の存続期間の延長登録出願の理由となった薬事法14条1項による

製造販売の承認(以下「後行処分」という。)に先行して,

後行処分の対象となった医薬品(以下「後行医薬品」という。)と

有効成分並びに効能及び効果を同じくする

医薬品(以下「先行医薬品」という。)について

同項による製造販売の承認(以下「先行処分」という。)が

されている場合であっても,先行医薬品が延長登録出願に係る

特許権のいずれの請求項に係る特許発明の技術的範囲にも

属しないときは,先行処分がされていることを根拠として,

当該特許権の特許発明の実施に後行処分を受けることが

必要であったとは認められないということはできないというべきである。

 

なぜならば,特許権の存続期間の延長制度は,

特許法67条2項の政令で定める処分を受けるために

特許発明を実施することができなかった期間を回復することを

目的とするところ,後行医薬品と

有効成分並びに効能及び効果を同じくする

先行医薬品について先行処分がされていたからといって,

先行医薬品が延長登録出願に係る特許権の

いずれの請求項に係る特許発明の技術的範囲にも属しない

以上,上記延長登録出願に係る特許権のうち

後行医薬品がその実施に当たる特許発明はもとより,

上記特許権のいずれの請求項に係る特許発明も

実施することができたとはいえないからである。

 

そして,先行医薬品が,延長登録出願に係る特許権の

いずれの請求項に係る特許発明の技術的範囲にも属しないときは,

先行処分により存続期間が延長され得た場合の

特許権の効力の及ぶ範囲(特許法68条の2)を

どのように解するかによって上記結論が左右されるものではない。

 

本件先行医薬品は,本件特許権のいずれの請求項に係る

特許発明の技術的範囲にも属しないのであるから,

本件において,本件先行処分がされていることを根拠として,

その特許発明の実施に本件処分を受けることが

必要であったとは認められないということはできない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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