猟銃による3人射殺事件
(平成8年3月4日最高裁)
事件番号 平成1(あ)1329
最高裁判所の見解
記録を精査しても、刑訴法四一一条を
適用すべきものとは認められない(本件は、かねてから、
隣人の夫婦が自分の軽四輪貨物自動車の荷台に
ごみを投げ捨てたと思い込み、同人らに対して
腹立たしい思いを抱いていた被告人が、
自分のゆず畑に大量のごみが投棄されているのを知って、
これも右隣人夫婦の仕業に違いないと一方的に決めつけ、
謝罪を求めるために隣家を訪れたところ、
逆に夫から怒鳴り返されたことに憤激し、
自宅から持ち出した狩猟用の散弾銃で同人目掛けて散弾二発を発射し、
仰向けに倒れた同人の側へ寄って更に二発を発射して
同人を殺害し、次いで妻にも二発を発射して同人を殺害した上、
その直後、近くに住む老人の姿を付近の路上に見掛けるや、
日ごろ同人から昔亡父が米を盗んだことをやゆされていたことを恨みに思っていたので、
既に二人を殺害したからには同人をも殺害しようと決意し、
右散弾銃で散弾二発を発射し、負傷して逃げ出した同人を追いつめ、
至近距離から更に二発を発射して同人を殺害するとともに、
最初の発砲により付近の畑で農作業中の主婦にも
散弾を命中させて加療約二週間を要する腹部裂傷の傷害を負わせたが、
同女を殺害するには至らなかった、というものであって、
本件犯行の罪質、動機、態様、結果に照らすと、
被告人の罪責は誠に重大であり、原判決の死刑の科刑は、
やむを得ないものとして当裁判所もこれを是認せざるを得ない。)。
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