生活保護法85条違反の罪の成立要件
(平成3年3月29日最高裁)
事件番号 平成1(あ)512
最高裁判所の見解
生活保護法八五条は、
本来正当に保護を受けることができないのに不当に
保護を受け又は受けさせることを防止するための規定であって、
同条違反の罪が成立するには、不実の申請がされたこと、
その他不正な手段が採られたことと保護との間の
因果関係を必要とするものと解するのが相当であり、
右の因果関係を必要としないとした原判決は、
法令の解釈を誤ったものというべきである。
しかしながら、原判決の維持した第一審判決の認定によると、
本件において不実の申請と保護との間の因果関係があり、
被告人には不実の申請をすることにより
保護を受けることの認識もあったというのであるから、
原判決の右の誤りは、結論に影響を及ぼすものではない。
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