監獄法45条,監獄法50条,監獄法施行規則121条,監獄法施行規則124条,監獄法施行規則127条1項,監獄法施行規則127条3項

(平成12年9月7日最高裁)

事件番号  平成10(オ)529

 

最高裁判所の見解

(一) 監獄法四五条二項によれば、受刑者については

親族以外の者との接見は原則として禁止され、

刑務所長において特に必要ありと認める場合に限って

例外的にこれを許すものとされている。

 

そして、同法五〇条は接見の立会いなど

接見の態様に関する制限を命令に委任し、

監獄法施行規則(以下「規則」という。)一二一条本文は

接見時間につき「接見ノ時間ハ三十分以内トス」と規定し、

規則一二三条本文は接見の度数につき

「懲役受刑者ニ付テハ一月毎ニ一回トス」と規定し、

規則一二四条は「所長ニ於テ処遇上其他必要アリト

認ムルトキハ前三条ノ制限ニ依ラサルコトヲ得」と規定している。

 

また、立会いにつき、規則一二七条一項本文は

「接見ニハ監獄官吏之ニ立会フ可シ」と規定し、同条三項は

「所長ニ於テ教化上其他必要アリト認ムルトキハ

受刑者ノ接見ニ付立会ヲ為サシメサルコトヲ得」と規定している。

 

刑務所における接見時間及び接見度数の制限は、

多数の受刑者を収容する刑務所内における

施設業務の正常な運営を維持し、受刑者の間における

処遇の公平を図り、施設内の規律及び秩序を確保するために

必要とされるものであり、また、受刑者との接見に

刑務所職員の立会いを要するのは、不法な物品の授受等刑務所の

規律及び秩序を害する行為や逃走その他収容目的を

阻害する行為を防止するためであるとともに、

接見を通じて観察了知される事情を当該受刑者に対する適切な処遇の

実施の資料とするところにその目的がある。

 

したがって、具体的場合において処遇上

その他の必要から三〇分を超える接見を認めるかどうか、

あるいは教化上その他の必要から立会いを行わないこととするかどうかは、

いずれも、当該受刑者の性向、行状等を含めて

刑務所内の実情に通暁した刑務所長の裁量的判断に

ゆだねられているものと解すべきであり、

刑務所長が右の裁量権の行使としてした判断は、

裁量権の範囲を逸脱し、又は

これを濫用したと認められる場合でない限り、

国家賠償法一条一項にいう違法な行為には

当たらないと解するのが相当である。

 

以上の理は、受刑者が自己の訴訟代理人である

弁護士と接見する場合でも異ならないものと解すべきである。

 

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