破産法72条2号,民法127条1項,民法466条

(平成16年9月14日最高裁)

事件番号  平成15(受)339

 

破産法72条2号は,破産者が支払停止又は

破産の申立て(以下「支払停止等」という。)があった後にした

担保の供与,債務の消滅に関する行為その他破産債権者を害する行為を

否認の対象として規定している。同号の規定の趣旨は,

債務者に支払停止等があった時以降の時期を債務者の財産的な危機時期とし,

危機時期の到来後に行われた債務者による

上記担保の供与等の行為をすべて否認の対象とすることにより,

債権者間の平等及び破産財団の充実を図ろうとするものである。

 

債務者の支払停止等を停止条件とする債権譲渡契約は,

その契約締結行為自体は危機時期前に行われるものであるが,

契約当事者は,その契約に基づく債権譲渡の効力の発生を

債務者の支払停止等の危機時期の到来にかからしめ,

これを停止条件とすることにより,

危機時期に至るまで債務者の責任財産に属していた債権を

債務者が危機時期に至ると直ちにその責任財産から

逸出させることをあらかじめ意図し,これを目的として,

当該契約を締結しているものである。

 

破産法72条2号の規定の趣旨及び上記契約の内容,

その目的等に照らすと,上記契約は,

同号の規定による否認権行使の実効性を失わせ,

これを潜脱しようとするものといわざるを得ず,

その契約内容を実質的にみれば,上記契約に係る債権譲渡は,

債務者に支払停止等の危機時期が到来した後の

債権譲渡と同視すべきものであり,

上記規定に基づく否認権行使の対象となると

解するのが相当である

(最高裁平成13年(受)第1797号同16年7月16日第二小法廷判決・

裁判所時報1368号327頁参照〔編注:民集58巻5号1744頁に登載〕)。

 

そうすると,被上告人の請求を認容すべきものとした原審の判断は,

結論において正当である。

 

したがって,その余の点について判断するまでもなく,

論旨は採用することができない。

 

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