破産者が破産手続中に自由財産の中から破産債権に対して任意の弁済をすることの可否

(平成18年1月23日最高裁)

事件番号  平成17(受)1344

 

この裁判では、

破産者が破産手続中に自由財産の中から破産債権に対して

任意の弁済をすることの可否について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

被上告人の破産事件について適用される旧破産法

(平成16年法律第75号による廃止前のもの)においては,

破産財団を破産宣告時の財産に固定する(6条)とともに,

破産債権者は破産手続によらなければその破産債権を

行使することができない(16条)と規定し,

破産者の経済的更生と生活保障を図っていることなどからすると,

破産手続中,破産債権者は破産債権に基づいて

債務者の自由財産に対して

強制執行をすることなどはできないと解されるが,

破産者がその自由な判断により自由財産の中から

破産債権に対する任意の弁済をすることは

妨げられないと解するのが相当である。

 

もっとも,自由財産は本来破産者の経済的更生と

生活保障のために用いられるものであり,

破産者は破産手続中に自由財産から破産債権に対する弁済を

強制されるものではないことからすると,破産者がした弁済が

任意の弁済に当たるか否かは厳格に解すべきであり,

少しでも強制的な要素を伴う場合には

任意の弁済に当たるということはできない。

 

そして,地共法の弁済方法は,

組合員の給与支給機関が組合に対する組合員の

債務の弁済を代行するものにほかならず,

組合員が破産宣告を受けた場合において,

地共法115条2項により,組合員の自由財産である

退職手当の中から組合の破産債権につき

地共法の弁済方法で弁済を受け得る地位が

組合に付与されたものと解することはできない

(最高裁昭和62年(オ)第1083号平成2年7月19日

第一小法廷判決・民集44巻5号837頁参照)。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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