破産者の財産に対する滞納処分手続における交付要求に係る配当金を交付すべき相手方

(平成9年12月18日最高裁)

事件番号  平成8(行ツ)111

 

最高裁判所の見解

一 破産者の財産に対する滞納処分手続において交付要求がされたときは、

交付要求に係る請求権に基づき破産宣告前に国税徴収法又は

国税徴収の例による差押え(参加差押えができる場合は、

これを含む。)がされている場合を除き、

交付要求に係る配当金は、破産管財人に

交付すべきものと解するのが相当である

(最高裁平成七年(オ)第一九三七号同九年一一月二八日

第三小法廷判決民集五一巻一〇号登載予定参照)。

 

二 これを本件についてみるに、

原審が適法に確定したところによれば、

(1) 上告人は、平成四年七月二三日、

滞納者株式会社Dが第三債務者E産業株式会社に

差入れ中の建物賃貸借の保証金の返還請求権につき、

滞納処分による差押えをした、

(2) 株式会社Dは、同年八月一三日、破産宣告を受け、

被上告人が破産管財人に選任された、

(3) 神戸市中央区長は、同月一七日及び二七日、

上告人に対し、株式会社Dの滞納法人市民税等を徴収するため交付要求をした、

(4) 上告人は、同年一一月一一日、

右保証金返還請求権の取立てをした上、

右交付要求に係る法人市民税等について配当の額を

一七万二六〇〇円とする配当計算書を作成し、

これを神戸市中央区長に交付する本件配当処分をした、

というのであり、同区長は、株式会社Dが破産宣告を受ける前に、

右保証金返還請求権について滞納処分による差押えを

していなかったことがうかがわれる。

 

したがって、同区長が直接右配当金の交付を

受けることはできないというべきであり、

右配当金を被上告人に交付すべきであるとした原審の判断は

正当として是認することができる。

 

原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

判例をわかりやすく解説コーナー


スポンサードリンク