社会福祉法人において退任した理事が後任理事の選任をすることができる場合

(平成18年7月10日最高裁)

事件番号  平成17(受)614

 

この裁判では、

社会福祉法人において退任した理事が

後任理事の選任をすることができる場合について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

社会福祉法は,理事の退任によって

定款に定めた理事の員数を欠くに至り,かつ,

定款の定めによれば,在任する理事だけでは後任理事を選任するのに

必要な員数に満たないため後任理事を選任することができない場合

(理事全員が退任して在任する理事が

存在しない場合も含まれる。)について,

同法45条で仮理事の選任について定めた

民法56条の規定を準用するのみで,

新たに選任された取締役が就任するまで退任した取締役が

取締役としての権利義務を有する旨定めた

商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)258条1項の規定を

準用していなかったし,これと同旨の

会社法346条1項の規定も準用していない。

 

したがって,社会福祉法は,上記のような場合については,

原則として,仮理事を選任し,

在任する理事と仮理事とにおいて後任理事を選任することを

予定しているものと解される。

 

しかし,社会福祉法人と理事との関係は,

基本的には,民法の委任に関する規定に従うものと解されるから,

仮理事の選任を待つことができないような急迫の事情があり,かつ,

退任した理事と当該社会福祉法人との間の信頼関係が維持されていて,

退任した理事に後任理事の選任をゆだねても

選任の適正が損なわれるおそれがない場合には,

受任者は委任の終了後に急迫の事情があるときは

必要な処分をしなければならない旨定めた

民法654条の趣旨に照らし,

退任した理事は,後任理事の選任をすることが

できるものと解するのが相当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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