社会福祉法人の理事の退任についての登記と民法112条の適用
(平成6年4月19日最高裁)
事件番号 平成3(オ)1233
最高裁判所の見解
社会福祉法人の理事の退任すなわち代表権の喪失は、
社会福祉事業法二七条一項、
組合等登記令(昭和三九年政令第二九号)一条、二条により、
登記しなければならない事項とされているのであるから、
前記規定の趣旨に照らせば、社会福祉法人が
理事の退任につき登記をしたときは、
右理事の退任すなわち代表権の喪失を
第三者に対抗することができ、その後その者が
右法人の代表者として第三者とした取引については、
交通・通信の途絶、登記簿の滅失など登記簿の閲覧につき
客観的な障害があり、第三者が登記簿を閲覧することが
不可能ないし著しく困難であるような
特段の事情があった場合を除いて、
民法一一二条の規定を適用ないし
類推適用する余地はないものと解すべきである。
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