社員総会決議不存在確認の訴えの確認の利益

(平成16年12月24日最高裁)

事件番号  平成14(受)1244

 

この裁判は、

社団たる医療法人の社員の入社承認,

理事選任及び診療所の開設に係る

定款変更の各社員総会決議不存在確認の訴えにつき

いずれも確認の利益があるとされた事例です。

 

最高裁判所の見解

被上告人は本件入社承認決議及び

本件理事選任決議が存在すると主張しており,

被上告人の社員総会議事録には

これらの決議がされたことを前提とした記載があるから,

理事及び社員に関する事項が社団たる医療法人の

登記事項ではないとしても,上記各決議について

決議が存在するとの外形があるというべきである。

 

(2) 確認の利益は,判決をもって

法律関係等の存否を確定することが,

その法律関係等に関する法律上の紛争を解決し,

当事者の法律上の地位ないし利益が害される危険を

除去するために必要,適切である場合に認められる。

 

法人の意思決定機関である会議体の決議は,

法人における諸般の法律関係の基礎となるものであるから,

その決議の存否に関して疑義があり,これが前提となって,

決議から派生した法律上の紛争が現に存在するときに,

決議の存否を判決をもって確定することが,

紛争の解決のために必要,適切な手段である場合があり得る

(最高裁昭和44年(オ)第719号同47年11月9日

第一小法廷判決・民集26巻9号1513頁参照)。

 

したがって,社団たる医療法人の社員総会の決議が

存在しないことの確認を求める訴えは,

決議の存否を確定することが,当該決議から

派生した現在の法律上の紛争を解決し,

当事者の法律上の地位ないし利益が害される危険を

除去するために必要,適切であるときは,

許容されると解するのが相当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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