社団たる医療法人の財産の出資社員への分配

(平成22年4月8日最高裁)

事件番号  平成20(受)1809

 

この裁判では、

医療法人の定款に当該法人の解散時には

その残余財産を払込出資額に応じて分配する旨の規定がある場合における,

同定款中の退社した社員はその出資額に応じて

返還を請求することができる旨の規定の解釈について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

(1) 医療法(平成18年法律第84号による改正前のもの)

44条,56条等に照らせば,

同法は,社団たる医療法人の財産の出資社員への分配については,

収益又は評価益を剰余金として社員に分配することを禁止する

医療法54条に反しない限り,基本的に当該医療法人が

自律的に定めるところにゆだねていたと解されるところ,

本件定款は,8条において「退社した社員はその出資額に応じて

返還を請求することができる。」と規定するとともに,

33条において被上告人の解散時における出資者に対する

残余財産の分配額の算定について「払込出資額に応じて分配する」と規定する。

 

本件定款33条が,被上告人の解散時においては,

被上告人の残余財産の評価額に,解散時における

総出資額中の各出資者の出資額が占める割合を乗じて

算定される額を各出資者に分配することを定めていることは明らかであり,

本件定款33条の「払込出資額に応じて」

の用語と対照するなどすれば,

本件定款8条は,出資社員は,退社時に,

同時点における被上告人の財産の評価額に,

同時点における総出資額中の

当該出資社員の出資額が占める割合を乗じて

算定される額の返還を請求することができることを

規定したものと解するのが相当である。

 

本件定款における基本財産の規定(9条,15条)は,

出資金返還請求権の額の算定の基礎となる

財産の範囲や返還額の限度について定めたものとは解されないから,

上記各規定は,上記判断に影響を及ぼすものではない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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