福岡会社社長ら強盗殺人等事件

( 平成16年12月2日最高裁)

事件番号  平成12(あ)1160

 

 

最高裁判所の見解

本件各犯行中,強盗殺人,死体遺棄事件は,バカラ賭博にのめり込み

借金の返済等に窮していた被告人が,製管会社の代表取締役を

務めるかたわら中古貴金属等の販売を行っていた男性(当時46歳)と

その交際相手であるフィリピン人女性(当時25歳)を殺害して

金品を強取し,犯行の発覚を防ぐためその死体を土中に埋めようと企て,

共犯者1名と共謀の上,被害者両名を呼び出して被告人運転車両に乗せるや,

けん銃を突き付け,ガムテープで被害者両名の両手首等を緊縛するなどして

反抗を抑圧し,人気のない場所に連行して,

まず男性をけん銃で射殺し,次いで女性の鼻口部をガムテープで

ふさいで同女を窒息死させ,男性が所持していた貴金属等を強取するとともに,

被害者両名の死体を牧草地に埋めたという事案である。

 

被告人は,上記犯行の首謀者であり,共犯者に指示命令して

被害者両名の殺害を実行させたものである。

 

上記犯行は,罪質が極めて悪質であり,動機に酌量の余地がなく,

犯行態様も冷酷,非情,残虐である。結果はもとより重大であり,

遺族らの被害感情も厳しく,社会的影響も大きい。

 

さらに,被告人は,上記犯行の前後に,共犯者にけん銃を渡して

強盗致傷,強盗事件を次々と実行させたほか,

逮捕等を免れるため至近距離からパトロールカー内の警察官らに対し

けん銃を発射するという殺人未遂事件などにも及んでいるところ,

強盗致傷事件では,共犯者の撃った銃弾がパチンコ店従業員3名に命中し,

殺人未遂事件では,被告人の撃った銃弾が警察官の頭部直近を通過するなど,

その態様も極めて危険かつ悪質である。

 

以上の事情に照らすと,被告人が被害者らに対する

謝罪の念を示していることなどの

被告人のために酌むべき事情や,強盗殺人事件の共犯者に対する科刑が

無期懲役であることを十分考慮しても,

同事件を始め一連の犯行を主導した被告人の罪責は

誠に重大であるといわなければならず,

原判決が維持した第1審判決の死刑の科刑は,

やむを得ないものとして当裁判所もこれを是認せざるを得ない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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