租税特別措置法の長期譲渡所得の特別控除額の特例の適用

(平成22年4月13日最高裁)

事件番号  平成21(行ヒ)110

 

この裁判では、

都市計画法55条1項所定の事業予定地内の

土地の所有者が具体的に建築物を建築する意思を欠き,

都道府県知事等による当該土地の買取りが外形的に

同法56条1項の規定による買取りの形式を採ってされたにすぎない場合に,

当該所有者は当該買取りの対価につき租税特別措置法

(平成16年法律第14号による改正前のもの)

33条の4第1項1号所定の長期譲渡所得の

特別控除額の特例の適用を受けることができるかについて

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

(1) 都計法53条1項の許可又は不許可は,

都市計画施設の区域内において「建築物の建築をしようとする者」からの

申請に対する応答としてされるものであり,

都計法56条1項の規定は,建築物の建築をしようとする

土地の所有者が意図していた具体的な建築物の建築が

都計法55条1項本文の規定により許可されない場合には,

上記所有者は,その土地の利用に著しい支障を来すこととなることから,

都道府県知事等に対し,当該土地の買取りを

申し出ることを認めたものと解される。

 

したがって,都計法56条1項の規定による

土地の買取りの申出をするには,当該土地の所有者に

具体的に建築物を建築する意思があったことを要するものというべきである。

 

また,措置法33条1項3号の3が都計法56条1項の規定による

土地の買取りを掲げているのは,土地の所有者が意図していた

具体的な建築物の建築が事業予定地内であるがために

許可されないことによりその土地の利用に著しい支障を来すこととなる場合に,

いわばその代償としてされる当該土地の買取りについては,

強制的な収用等の場合と同様に,

これに伴い生じた譲渡所得につき課税の特例を認めるのが

相当であると考えられたことによるものと解される。

 

そうすると,土地の所有者が,

具体的に建築物を建築する意思を欠き,

単に本件特例の適用を受けられるようにするため

形式的に都計法55条1項本文の規定による

不許可の決定を受けることを企図して

建築許可の申請をしたにすぎない場合には,

たとい同申請に基づき不許可の決定がされ,

外形的には都計法56条1項の規定による

土地の買取りの形式が採られていたとしても,

これをもって措置法33条1項3号の3所定の

「都市計画法第56条第1項の規定に基づいて買い取られ,

対価を取得する場合」に当たるということはできない。

 

したがって,上記のような場合,

当該所有者は当該対価について

本件特例の適用を受けることができないものと

解するのが相当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

判例をわかりやすく解説コーナー


スポンサードリンク