租税特別措置法33条の4第1項1号所定の特別控除額の特例(平成13年法律第7号による改正前のもの)

(平成22年4月20日最高裁)

事件番号  平成20(受)2065

 

この裁判は、

土地の所有者が市への土地の売却に係る長期譲渡所得につき

租税特別措置法33条の4第1項1号所定の特別控除額の特例

(平成13年法律第7号による改正前のもの)の適用がある旨の

市の職員の誤った教示及び指導に従い所得税の申告をし,

過少申告加算税の賦課決定等を受けた場合において,

当該所有者に損害の発生がないとした原審の判断に

違法があるとされた事例です。

 

最高裁判所の見解

都計法56条1項の規定による土地の買取りの申出をするには,

当該土地の所有者に具体的に建築物を建築する意思があったことを要し,

当該土地の所有者が,具体的に建築物を建築する意思を欠き,

単に本件特例の適用を受けられるようにするため

形式的に都計法55条1項本文の規定による不許可の決定を受けることを

企図して建築許可の申請をしたにすぎない場合には,

たとい同申請に基づき不許可の決定がされ,

外形的には都計法56条1項の規定による

土地の買取りの形式が採られていたとしても,

当該土地の売却に係る長期譲渡所得につき

本件特例の適用はないものと解される

(最高裁平成21年(行ヒ)第110号同22年4月13日

第三小法廷判決・裁判所時報1505号登載予定参照)。

 

しかるに,前記事実関係等によれば,被上告人は,

的確な法的根拠もないまま,長年にわたり組織的かつ主導的に,

都計法及び措置法の趣旨,目的に反する本件運用にのっとって

都市計画施設の区域内の土地の買取りを進めていたのであって,

上告人に対しても,本件土地の売却に係る長期譲渡所得につき

本件特例の適用がある旨の教示をしただけでなく,

本件特例の適用を受けられるようにするために,

本件共有者の一人に建築図面の交付までして

外形的に都計法56条1項の規定による

土地の買取りであるかのような形式を整えさせ,

本件申告をするように指導したというのである。

 

そして,本件土地の売却に係る長期譲渡所得については

本件特例の適用はないのであるから,

上告人が本件特例の適用がないことを

前提とする税額を納付したからといって,

直ちに上告人に上記本税の額に相当する損害が発生したとはいえないが,

被上告人の担当職員の上記の教示や指導がなければ,

上告人が本件特例の適用があることを前提として

本件申告をすることはなかったというべきであるから,

上告人にも安易に上記の教示や指導に従った点で

過失があることは否めないとしても,

違法な公権力の行使に当たる本件行為により,

上告人に過少申告加算税相当額の損害が発生したことは明らかである。

 

のみならず,事実関係のいかんによっては,

延滞税の全部又は一部に相当する額を本件行為による損害とみる余地や,

上告人が他の特例の適用を検討する機会を逸したことにより

損害が発生したとみる余地のあることも否定できない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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