窃盗犯人による暴行が窃盗の機会の継続中に行われたものとされた事例
(平成14年2月14日最高裁)
事件番号 平成12(あ)411
最高裁判所の見解
原判決の認定によれば,被告人は,被害者方で指輪を窃取した後も
犯行現場の真上の天井裏に潜んでいたところ,
犯行の約1時間後に帰宅した被害者から,
窃盗の被害に遭ったこと及びその犯人が
天井裏に潜んでいることを察知され,
上記犯行の約3時間後に被害者の通報により
駆け付けた警察官に発見されたことから,
逮捕を免れるため,持っていた切出し
ナイフでその顔面等を切り付け,
よって,同人に傷害を負わせたというのである。
このような事実関係によれば,被告人は,上記窃盗の犯行後も,
犯行現場の直近の場所にとどまり,被害者等から容易に発見されて,
財物を取り返され,あるいは逮捕され得る状況が継続していたのであるから,
上記暴行は,窃盗の機会の継続中に行われたものというべきである。
したがって,被告人に強盗致傷罪の成立を認めた原判断は,相当である。
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