自動継続特約付きの定期預金契約における預金払戻請求権の消滅時効の起算点

(平成19年4月24日最高裁)

事件番号  平成17(受)844

 

この裁判では、

いわゆる自動継続特約付きの定期預金契約における

預金払戻請求権の消滅時効の起算点について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

自動継続定期預金契約における自動継続特約は,

預金者から満期日における払戻請求がされない限り,

当事者の何らの行為を要せずに,

満期日において払い戻すべき元金又は元利金について,

前回と同一の預入期間の定期預金契約として

継続させることを内容とするものである

(最高裁平成11年(受)第320号同13年3月16日

第二小法廷判決・裁判集民事201号441頁参照)。

 

消滅時効は,権利を行使することが

できる時から進行する(民法166条1項)が,

自動継続定期預金契約は,

自動継続特約の効力が維持されている間は,

満期日が経過すると新たな満期日が

弁済期となるということを繰り返すため,

預金者は,解約の申入れをしても,

満期日から満期日までの間は任意に

預金払戻請求権を行使することができない。

 

したがって,初回満期日が到来しても,

預金払戻請求権の行使については

法律上の障害があるというべきである。

 

もっとも,自動継続特約によれば,

自動継続定期預金契約を締結した預金者は,

満期日(継続をしたときはその満期日)より前に

継続停止の申出をすることによって,

当該満期日より後の満期日に係る弁済期の定めを一方的に排除し,

預金の払戻しを請求することができる。

 

しかし,自動継続定期預金契約は,預金契約の当事者双方が,

満期日が自動的に更新されることに

意義を認めて締結するものであることは,

その内容に照らして明らかであり,

預金者が継続停止の申出をするか否かは,

預金契約上,預金者の自由にゆだねられた行為というべきである。

 

したがって,預金者が初回満期日前にこのような行為をして

初回満期日に預金の払戻しを請求することを前提に,

消滅時効に関し,初回満期日から

預金払戻請求権を行使することができると解することは,

預金者に対し契約上その自由にゆだねられた行為を

事実上行うよう要求するに等しいものであり,

自動継続定期預金契約の趣旨に反するというべきである。

 

そうすると,初回満期日前の

継続停止の申出が可能であるからといって,

預金払戻請求権の消滅時効が初回満期日から

進行すると解することはできない。

 

以上によれば,自動継続定期預金契約における

預金払戻請求権の消滅時効は,

預金者による解約の申入れがされたことなどにより,

それ以降自動継続の取扱いがされることのなくなった

満期日が到来した時から進行するものと解するのが相当である。

 

(2) 前記事実関係等によれば,本件預金契約は,

本件解約申入れのあった平成14年8月13日の後における初めての

満期日である平成15年2月23日において,

それ以降自動継続の取扱いがされることがなくなったものと解されるから,

本件預金の払戻請求権の消滅時効は,

同満期日から進行するというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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