自己の氏名が弁護士と同姓同名であることを利用した私文書偽造罪

(平成5年10月5日最高裁)

事件番号  平成5(あ)135

 

最高裁判所の見解

私文書偽造の本質は、文書の名義人と作成者との間の

人格の同一性を偽る点にあると解されるところ

(最高裁昭和五八年(あ)第二五七号同五九年二月一七日第二小法廷判決・

刑集三八巻三号三三六頁参照)、前示のとおり、被告人は、

自己の氏名がA弁護士会所属の弁護士Bと同姓同名であることを利用して、

同弁護士になりすまし、「弁護士B」の名義で

本件各文書を作成したものであって、

たとえ名義人として表示された者の氏名が被告人の氏名と同一であったとしても、

本件各文書が弁護士としての業務に関連して

弁護士資格を有する者が作成した形式、

内容のものである以上、本件各文書に表示された名義人は、

A弁護士会に所属する弁護士Bであって、

弁護士資格を有しない被告人とは別人格の者であることが明らかであるから、

本件各文書の名義人と作成者の人格の

同一性にそごを生じさせたものというべきである。

 

したがって、被告人は右の同一性を偽ったものであって、

その各所為について私文書偽造罪、同行使罪が

成立するとした原判断は、正当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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