船員保険被保険者資格確認請求却下処分取消

(平成7年4月25日最高裁)

事件番号  平成5(行ツ)38

 

最高裁判所の見解

上告人は、東京都に主たる事務所を有するD株式会社又は

これと同視することができる外国法人EがF丸の船舶所有者であり、

上告人は、これに使用されることによって

船員保険の被保険者資格を取得したと主張して、

被上告人に対しその確認を請求した

(以下「本件確認請求」という。)ものであるところ、

原審は、上告人は、Gとの間で雇入契約を締結してF丸に乗船したものであるから、

D又はEが船員保険法(以下「法」という。)一七条所定の

船舶所有者に当たるとみることはできないとして、

これと同旨の判断の下に本件確認請求を却下した

被上告人の処分に違法の点はないとした。

 

原審の右認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、

正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。

 

論旨は、右雇入契約の当事者となったGの法人格が全くの形骸にすぎず、

F丸を所有する株式会社H社は、法の適用を回避する目的をもって、

GにF丸を貸し渡した上で、上告人を雇い入れさせたものであって、

法の適用上は、Gの法人格を否認し、

H社が法一七条にいう船舶所有者に

当たるものとみるべきであるとも主張する。

 

しかし、仮に、上告人がH社に使用されることによって

船員保険の被保険者資格を取得したものとみる余地があるとしても、

その確認の権限を有するのはH社の主たる事務所が

所在する兵庫県の知事であって(法一九条ノ二、同二一条ノ五、

船員保険法施行令三条一項)、

被上告人には、その確認の権限がないことが明らかである

(なお、この場合に本件確認請求を

兵庫県知事に移送する措置を執る義務があると解する根拠もない。)。

 

したがって、被上告人が本件確認請求を却下した処分を違法ということはできず、

これと同旨の原審の判断は、結論において是認することができる。

 

論旨は、以上と異なる見解に立って原判決を非難するか、

原審の結論に影響のない事項についての違法をいうに帰し、

採用することができない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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