裁判官忌避申立て却下の裁判に対する準抗告棄却決定に対する特別抗告
(平成9年10月2日最高裁)
事件番号 平成9(し)171
最高裁判所の見解
記録によれば、本件は、申立人が、
申立人に対する覚せい剤取締法違反被告事件の
審理を担当する前橋地方裁判所裁判官(地方裁判所の一人の裁判官)Aを
忌避する旨の申立てをし、同裁判官が刑訴法二四条により
右申立てを却下した裁判に対して準抗告を申し立て、
右準抗告の棄却決定に対して更に本件抗告に及んだという事案であるが、
右準抗告は、同裁判官が前記被告事件について
既に判決を宣告した後に申し立てられたものであることが明らかである。
このように、裁判官が担当事件の審理を終えて
判決宣告をした後においては、
右裁判官に対する忌避申立てを却下する裁判を
取り消す実益が失われるものと解するのが相当である
(最高裁昭和三六年(し)第四四号同年一〇月三一日第三小法廷決定・
裁判集刑事一三九号八一七頁、最高裁昭和五九年(し)第二九号同年三月二九日
第一小法廷決定・刑集三八巻五号二〇九五頁参照)から、
本件準抗告の申立ては不適法であり、
これが適法であることを前提とする本件抗告も不適法である。
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